The Martian Chronicles
(1950) Ray Bradbury
ハヤカワ文庫NV 小笠原豊樹/訳
火星への最初の探検隊は、一人も生還しなかった。続く二度目、三度目も・・・。
それは、火星人たちが彼らなりのやり方で探検隊をもてなしたからだ。
それでも人類は怒涛のように火星へと押し寄せ、火星に地球とそっくりの街を築いていく。そして、地球人の持ち込んだ病原菌によって、ひっそりと滅んでいく火星人たち。やがて火星への入植者たちは、繁栄を謳歌するようになるのだが・・・
ブラッドベリは、東京創元社の「ウは宇宙のウ」で初めて読み、その後ファンになって片っ端から買って読みました(高校生の頃…)。火星年代記はその中でも最高で、人に会うたびに感動を分けたくて、「わざわざ買って本を渡す」というようなことをしたものです。これは、半分感動の押し売りですね(^^ゞ
荒涼とした火星の雰囲気、誰もいない部屋が燃える描写…等々、語間から湧き上がってくるなんともいえない切ない感じがとってもいいです。
夏になると、NHKラジオで「夏休み子供科学相談室」というのが放送されます。
先日漠然とその放送を聞いていました。
小学3年生の女の子「火星には人は住めるんですか?」
女の先生「そうだねぇ、火星には空気はないけど、昔、川が流れていた跡があるのよ。(後略)」と、ひとしきり、説明した後で、
女の子「火星人はいるんですか?」
女の先生「将来、人間が火星に住めるようになって、○○ちゃんが火星に住むようになったら、○○ちゃんが火星人と呼ばれるようになるかもしれないわね」だって(笑)
おいおい、小学3年生に火星年代記のねたバレするのはやめましょう。(2005/7/20)