アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

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1.分子分母の計算根拠が違う

 坪単価というと、建築費を坪面積で割って算出するのは誰でもわかるのですが、分子分母は具体的にどうなっているのでしょう?

 

分子:建築費

 新築に必要な予算書を作ってみると、だいたい右表のようになります。
 実際には、2~30枚くらいの見積書を作ることが多いので、その大項目のみ書き出している感じです。
 
 このなかで、建築工事だけを分子にする場合と、総工事費を分子にする場合とではかなり差があるのがわかると思います。また、建築工事のうち、外部足場や水道引込費などの付帯工事を別にすれば安くなりますし、本体工事に含まれる設備機器をリーズナブルなものにすればみかけはさらに下がります。
 照明器具やエアコンも、含まれている場合といない場合では百万近くかわりますし、下駄箱や机といった造作家具も多ければ百万を超えてしまいます。
 また、カーテンやブラインドは別途にされている会社さんが多いのですが、神棚や簾掛・暖簾掛・タオル掛・手摺などは大項目ではわからず、見積明細をみないと何ともいえません。
 
 外構工事もばかになりません。大きなお庭があったり、広いベランダがあったりすると、それだけで数百万かかりそうなので、「坪単価を下げるためにはすべて別途にしちゃえ!」って思いがちです。(^^♪
 各種申請費も同様です。京都だと新景観法の事前申請が必要ですし、ゲストハウスや飲食店などは、保健所や消防・市役所への許認可申請費が大変です。これらもだまっていると大抵別途になります(笑)。

分母:坪面積

 普通に考えると、延床面積かな?と思いますよね。
 延べ床面積は、床面積(壁または柱の中心線で囲まれた部分の面積)」をすべて足した数値のことです。簡単に言うと、1F床+2F床面積になります。吹抜部分や階段の2F部分、天井高の低い小屋裏面積などは含まれていません。
 しかし、これだと「仕事するのに分母に入らなくて損(^^)」になるので、施工面積という考え方が出てきます。この面積は定義がありません。住宅会社が都合のいいように増やすのです。
 例えば以下の面積を含めたりします。

 右上図のプランでは、これらをすべて含める場合と除く場合では坪単価で〇万も変わってきます。
 ちなみに、お茶室のように軒が長ーい建物の場合、軒先で計算する事もあります。お茶室については、そもそも坪単価という考え方は当てはまらないかもしれませんね。
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