アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

注文住宅 東濃檜の家

シャープな袖瓦。奥様のお気に入りです。

 昔ながらの建物が点在する旧街道沿いに、新和風のお住まいを新築する事になりました。
 設計は、『北野彰作建築研究所』さん。
 外部はジョリパット、内部は珪藻土。何度も検討を繰り返し、設計に大変工夫をされたモダンな仕上がりの建物です。

「見えないところも、できるだけ良い仕事をしよう」という考え方

べタ基礎配筋

 見えない基礎にもこだわって設計されています。
 土間にはD13@200のダブル配筋+D13補強筋。
 一般の木造住宅にはない、しっかりした基礎になっています。

棟上

 構造体の桧柱も、施主さんと一緒に東濃(裏木曾)まで見にいって選定。
 雪の降る中、一日かけて選んだだけあって、適材適所に資材を配置する事ができました。
 半間ピッチでH360mmの大きな梁が入って組みあがると圧倒されるボリュームです。

平瓦

 今回、屋根は平瓦。5寸勾配のため、道路からよく見えます。
 施工の腕が良くわかる瓦なので、慎重に葺いています。

苦労をみせないすっきりした仕上がり

リビングからキッチンをみる  写真A   写真B

 天井:梁一部表し+ピーラー羽目板張。壁:珪藻フラット塗。床:栗材フロア。
 建具は引分吊戸。通常は、全開してリビングとキッチンに一体感を持たせています。
 
 造作家具は、キッチンと同じ白色メラミンで作っています。

キッチン全景

 広いキッチンで羨ましいです(笑)。
 真中のカウンターは調理台。美味しいパンが作れますね♪
 キッチンには不燃垂壁を造っています。目立つかなと少し心配しましたが、違和感なく仕上がりほっとしました。

和室

 いつ見ても和室は落ち着きます。
 3枚引戸の隣はリビング。全開すれば、和室からキッチンまで広い空間を確保する事ができます。
 正面の片引戸が押入の後ろに引き込むようになっています。
 将来建具を外して掃除できるように少し工夫をしています。

リビングから和室をみる

 梁背が大きいので、ダウンライトを仕込んでも、ほぼ半分梁をみせる事ができ、どっしりとした感じになりました。
 梁下のボルトは図Aのような角材を作って下から張り上げて隠しています。
 また、紙貼障子の引手は、図B。片塵落としの船底引き手。今回のために作ってもらいました。

ホールから2Fを見上げる

 この角度だと、ボルト穴を埋めてるのが良くわかります。
 天窓の光が1Fに差し込んでいい感じです。
 この梁の手摺。材料は積層材なのですが、1本ずつ梁に掘り込み、もたれかかってもシッカリするように固定しています。
 いい仕事です。

2Fホール  写真A  写真B

 このホール、いろんな部材がからまっているので、大壁ですっきりしてよかったです。
 梁・束と天井の板、壁に埋まったような本棚。そして、バランスよく収まった照明器具が上手く調和しています。
 
 額縁等の細かい部材がないのでなおさらです。

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2Fのミニ書斎 顔みたい♪
 今回の工事で特に大変だったのは、造作工事と家具とを如何に自然に納めるかということです。
 各室に多数の家具が組み込まれていたので、浮いた感じに見えないように、また部屋と一体的に見せるためにはどうすれば良いかについて、 かなりの時間をかけてお客様と打合せしました。
 
 もともと図面には家具の殆どが突板(ベニヤ下地に表面のみ化粧単板が貼られたもの)で仕上げるという仕様になってました。 でも、木で仕上げる面積が大きくなり過ぎるとログハウス風になってしまいます。
 検討の結果、珪藻土壁のクリーム色に合せ、そのほとんどを白メラミンで造ることになりました。
 
 私は以前からメラミン仕上の家具に興味を持っていましたので、 そのときのお客様のご決定にガッツポーズしたことを今でもはっきりと覚えています。
 
 最終的には壁・家具等の白色と、天井・床・建具等の木材とのバランスは本当にかっこ良く仕上がったと思います!
 周りに無垢の木を使っているからといって家具も木製にしなければという固定概念は切り捨てて、 バランス重視で材質を選ぶことが大切だということを痛感した現場となりました。
 着工してから竣工まで1年近くかかりましたが、最後に「本当に良かった」といっていただいて、僕も正直ジーンときました。
 
 今後もこの経験を生かして良い家造りに携われたらと思います。いろいろと、ありがとうございました。
現場監督 米沢 和也
鳩の夫婦
足場に巣を作る鳩の夫婦。
お父さんの顔を潰してごめんなさい。
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