アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

町家探訪

1.京町家 吉田家(続)

(京都市)

白井 立派な大黒柱ですね。
荒木 そうですね。太いのにも意味があるんですよ。この柱には、梁が左右からかかっているでしょ。この接合部には込栓が打ってありましてね。地震のときは、梁だけ動くように、大黒柱に荷がかからないように工夫されているんですよ。そうした仕事をするために相当柱を欠くので、どうしても太い柱でないといけなかったんです。

白井 太さもすばらしいですけど、長さもすばらしいですね。
荒木 10mくらいありますね。
白井 大変りっぱな空間ですけど、お掃除が大変そうですね。
荒木 それは、われわれ出入りの大工の仕事なんですよ(笑)。出入りの大工が年末に掃除するんです。
白井 こちらの中庭は本当にすてきですが、雨・風の時にはどうされてたのでしょうか?
荒木 こちらに雨戸が12枚入ってましてね。このコの字の3方は全て雨戸が回るんですよ。軸回しという方法で、出隅も回っていくんです。

白井 お座敷にあるこの建具は不思議な工夫がされてますね。
堀内 これは、無双窓といいましてね。戸を開けなくても、風が通る工夫がされているんですよ。
 家の作りようは「夏を旨とすべし」と吉田兼好も書いています。夏のしつらえでは、藤・網代を敷いたり、葛暖簾を掛けたりする工夫がされています。

 縁の下に一番冷たい風が通るように、庭に打ち水をします。そうすると、床下からぐっと冷気を感じるのです。

白井 10代の頃から見ていた町家の風景ですが、初めて奥座敷まで入れていただいて、私にとっては全て新しいものばかりで、とってもどきどきしました。
特に印象に残ったのは、吉田さんがこの町家に実際に住んでおられるということです。
町の方々とどうやって伝統を守られていかれるのかと、とっても楽しみです。
 町家に息づく知恵や工夫・・・ 何か発見できたでしょうか?


弊社社長は、現場対応のため途中で失礼しました。
そのため、後半は、一部省略して掲載しております。
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