アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

A.鶴の家

北側番台裏のタイル
西玄関のおめでたい鶴タイル。
番台裏の細工をそのまま残す。
  • ■ 家族構成:両親+夫婦+子ども2人(2世帯住宅)
  • ■ 竣   工:2002年04月
  • ■ 構   造:木造2階建(中2階付)

 昭和33年(1955年)に建てられた銭湯の脱衣室を改修しています。
 構造材が大変立派な上に、荒壁造の脱衣室でした。営業を止めてからも、思い出を残せないものかと御相談を受け、脱衣室の間取りを生かして改修することになりました。
 女用を御両親の空間に。男用を御夫婦の空間にと、2世帯住宅に改造しています。
 施工にあたっては、

  1. 塩ビの建材はできるだけ避ける。
  2. 荒壁・既存の柱はできるだけ残す。
  3. 木材の塗装は最低限の手垢止めのみとする。
  4. 使える建具は再利用する。
  5. 地震・防災・空巣対策を万全にする。

といった点に注意をはらいました。

 仕様については、かなりお任せいただいたので、大変楽しく施工でき、感謝しております。

玄関
北玄関と、西玄関

 左は北玄関。下見は杉の焼板。玄関は桧の引戸です。軒裏も木を化粧でみせました。
 右は西玄関。雨があたるので、YKKのアルミ引戸にしています。下見は松板に透明の防腐剤を塗りました。軒桁は弊社で在庫しているカンボジア松を使いました。
 西玄関の屋根は4寸勾配にするため、垂木はそのままで棟のみ嵩上しています。ちょっと格好が変なのはそのためです。

リビング・和室
リビング・和室

 男性の脱衣所を利用したリビングと和室です。黒く見えている柱・梁は、脱衣所に前からあったものです。古い材は古いなりに磨き、新しい材はできる限り無塗装で仕上ました。
 床は桜無垢板15mm、腰壁は美山杉15mm。建具はアガチスです。壁はほとんど、既存の荒壁を漆喰で塗りなおしました。

郵便受
郵便受

 ほとんど、新築のような仕上がりです。
 写真の右奥に玄関がみえています。ここは、TOSTEMの玄関収納を使っていますが、「郵便物が土間に落ちないように、玄関収納の扉を余分に1枚だけもらい、玄関収納脇に取り付けました。

玄関
玄関

 玄関からリビングを見たところです。
 玄関の天井は当初「網代スス竹押え」でしたが、お施っさんから「開放的にして欲しい」との要望をいただき、天窓まで吹きぬけ仕上に変更しました。和風の玄関ですが、天井だけ洋風に仕上がり、広々とした雰囲気です。
玄関天井

キッチン・リビング
キッチン・リビング

 こちらは、女性の脱衣所を利用したキッチンとリビングです。元の脱衣所の高さが5.5mもありましたので、中2階を作りました。写真で見えている天井は「2Fの床」表しです(美山杉38mm)。

天井
天井

 床は楓無垢板15mm、腰壁は美山杉15mm。建具は杉です。

 正面の控えの間の天井は、大神ヨシのスス竹押えです。(事務所にいいのが余ってたので、使わせてもらいました。いい感じです。

 それでは、次は階段を登って中2Fにいってみましょう。

リビングと階段
中2Fへのぼる階段
正面の丸太はちょっと遊びで入れてみました。
新材で唯一古色塗りしています。
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