アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

古民家の再生 富士山のある民家

タイルパターンの作図

 昭和初期頃に建てられたと思われる3軒長屋。建築当初は、間口2.5間(約5m)、奥行7.5間(約15m)の京町家が3軒連続した長屋建てであった。時期は不明だが、後の改修で3軒のうち2軒を接続して1軒として使用されており、今回はその接続された方の長屋を全面改修することになった。

民家のリノベーション 1) 施工

着工前
着工前
足場を建物ファサードと前栽に設置。
解体
解体
基礎や構造から改修するため、屋内の床を全面解体。
化粧野地
化粧野地
軒桁、欄間、化粧丸太なども含め、足場を組んで新調。
左官塗
左官塗
傷んだ漆喰壁の上塗り部分を剥離。中塗から一新。
内装
内装
天井を撤去し、野地に勾配天井の木下地を取り付け。
押入造作
押入造作
大工の斉藤君です。押入は杉上小節張。
階段造作
階段造作
大工の山脇さん。今回は地桧材を使い当社で加工。
養生
養生
大工見習の斉藤康一君。化粧棚にボード養生。これも大切。
物干
物干
南側の下屋根上に大きな物干しを新設。

民家のリノベーション 2)竣工

ファサード
ファサード

 石張の外観を板張に取り替え。
 架式組のある2Fは建築当初の意匠を残す。

玄関からミセノマを見る
玄関からミセノマを見る

 土間は大磯洗出仕上。式台には錆竹をあしらう。
 大和天井は建築当初の様式。

ミセノマ
ミセノマ
 何も変わっていないように見えるが、床組を新調、敷居取替、壁塗替、天井修理など全面的に改修。
ザシキ1
ザシキ1
 縁側越しに眺められる前栽も、建仁寺垣や植栽を修繕。
 天井板や障子も新調。
ザシキ2
ザシキ2
 古い欄間はそのまま建て合わせをして再利用。
縁側
縁側
 小舞化粧天井は化粧丸太、赤杉のヘギ板とも新調。縁側の建具やピーラーの床板は既存再利用。
箱階段
箱階段
 滋賀県から仕入れた箱階段を実用目的で新たに設置。ミセは2室を1室に。
家事室
2F踊り場
 天井を撤去し、登り梁を見せ、大きな空間を実現。当初、2Fは大壁の予定でしたが、強い希望で真壁左官塗に。
2Fオモテ
2Fオモテ
 床板は楢材。天井は桐羽目板。登りはベンガラ塗。新しい木材はあえて白木を生かして仕上げ。
サニタリー
サニタリー
 モザイクタイルで描いた富士山。浴室の壁。
 脱衣室との間は強化ガラスで仕切。
 構造改修はもちろん、給排水・電気・ガス設備は全て一新。仕上には無垢材を使用し、可能な限り伝統工法による仕上げに努めた。意匠は建築当初に戻しながらも、途中で改変されたヵ所についても不自然にならないように意図的に残した。
 最後に、施主様及び工事関係者の皆様大変お疲れ様でした。無事に竣工を迎えられた事に感謝致します。ありがとうございました。
 
現場監督 小野 敏明
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