地松配膳台の家

お客様の当初のご要望である、
・1階で生活を完結
・程好く明るい開放的なリビングダイニング
というキーワードから計画がスタートしました。
前者は、平面計画時に確定させることができました。
後者のご要望は、本当に頭を悩ましました。
ただ明るくするだけなら開口を出来る限り増やせば良いのですが、住宅の採光はそういう訳にはいきません。冬場の採光を確保しつつ、夏場の直射日光を遮るといったことがポイントになります。
いろいろと検討した結果、横長の窓を壁面最上部に均等に設けるという方法を選択しました。 角度の低い冬場の太陽光を採り込み、夏場の高い角度の日差しは軒で遮るという基本的なことですが、それがより効果的に機能する配置としました。

今回の工事も「できるだけスッキリ、長くすんでも飽きないお住まい」を心がけました。
外観はグレーで統一。外塀は、外塀は杉板キシラデコール塗装仕上。廊下はブラックウォルナット厚3mm突板材です。

広々とした贅沢な空間。右手に畳コーナー。正面はTVボード。
2F廊下のロートアイアンと屋根の化粧野地がみえています。
床暖房+野地断熱としています。

簡単な食事はこのカウンターで済ませられるようにしています。
キッチンはごちゃごちゃいろんなものを置きがちなので、壁面はできるだけ木部を打ったりしないでシンプルに仕上げています。

天井は杉板張。床は掘炬燵。地板は、古いお住まいにあった床の間の欅板を加工しています。
天袋の右半分は埋込エアコン。
入口は建具4枚引違戸ですが全て壁内に納まるようにしたため、通常は全開して使用できます。

天井は天窓+杉板張。こちらも天井高さを下げて座ったときに落ち着く高さとしました。
左写真の家具天板も床の間の欅板再利用です。

できるだけ家具を置かない生活をしたいというご要望でした。
納戸・WICは天井壁とも杉板張。棚板は杉積層材。引き出しはPanasonicの既製品。
造りつけ収納も、主張しないように取手などはナシまたはシンプルなものに。

開放的な空間です。吹抜が巨大です。
一部構造材をみせていますが、1F梁はピーラー。丸太は曲がり具合が良さそうな材を選びました。
化粧野地板はピーラー材。手すりはロートアイアン、照明器具はコイズミです。
夏場はこの強弱がもっとはっきりしてくれるので、また違った光が楽しみです。
採光の話は、工事中に悩み検討した多くの中の一つですが、こういった一つ一つの納まりを積み重ねていくことは、これだけ大きな建物でも、狭小住宅でも同じだということを実感できる現場となりました。
次にこの規模の建物を担当させて頂けるのはいつになるのか楽しみでなりません!