小さな古家のリノベーション

昭和初期に建てられたと思われる古い木造住宅をフルリノベーションしました。
以前何度も増築されていた部分の構造が悪かったので、屋根を残して梁や柱を取り替えています。
この現場は大工の斉藤君が担当しました。
施工 基礎を新設し、地震に強い構造にリノベーション

1Fが軒先まで増築されていますが、屋根が足りない状態でした。

内部を全解体し、構造を確認します。

躯体が不安定になったので、仮筋交で固定します。

基礎が脆弱だったので、2F外壁下に新設します。

布基礎を立ち上げます。2Fの荷重をパイプサポートで仮受します。

工事最難関。幅400mmほどしかなく、足場を組バラシながら外壁を張ります。

基礎ができ、建物の歪みを直し、柱を建てたら一安心。足場を組みます。

野地を直し、腐朽した梁を取り替えています。

ブロック積だった外壁を全解体し、基礎をつくり、ラス地を貼っています。

2F外部は町家の雰囲気を残すため、付長押を入れ替え、左官塗で仕上げます。

天井は24kgの断熱材を2重張。壁土の内側にも充填しています。

ワーロンプレートを建具の上から二人がかりで落とし込みます。
竣工:元の外観を尊重し、似た雰囲気にリノベーション

元々の雰囲気を残して仕上げています。外壁の色や布基礎のタイルも似た材料を探しました。入隅のスペースを使って機器類を納めています。

狭いスペースを有効に活用するため、梁間の天井を上げ、カフェ窓を入れました。

ポーチは黒龍石洗い出し、小庭は御影石りゃんこ張。
建具はLIXIL やまとK3 柳格子、機能門柱はYKKルシアスポストです。

左の木製建具は、地桧製。正面の建材ドアはダイケンハピア。
床は、3mm挽板ハードメープルフロア張。

和室は当初、大板底目天井の予定でしたが、どうしても天井が下がってしまうので、地杉板張上に変更しました。
右手の勾配天井は、杉矢萩網代張です。

階段は床板に似た色合いのカバ桜積層材を使用。階段下押入の襖や、隣の和室側の襖は、あえて天井いっぱいにしています。

2Fは一部屋にまとめています。
天井高を上げるため、どうしても撤去できない梁は、木目調の壁紙で覆いました。

キッチンはタカラ製。
躯体の幅いっぱいに設置しています。
上手く寸法が足りるかドキドキでした。
また、両隣さんがとても良い方で、狭い隙間に足場を組むのを快く承諾していただき、感謝しています。ありがとうございました。