アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

S造リノベーション

dusk
dusk

 本日よりS造リノベーションの様子をご紹介させて頂きます。
 弊社は木造専門とまでは言いませんが、木造の建物を工事させて頂くことが多いです。ですが今回は鉄骨造の工事依頼を頂きました。普段とは少し勝手が違い、若干不安を伴いながらの現場調査です。
 
 鉄骨造とは言いましても、改修工事ですので、構造は全くさわらずに外装と内装のやり替えがメインとなります。
 
 場所は、清水坂を上り茶碗坂へ入り、坂道を上ったちょうど中ほどの左手(北側)に位置します。建物は鉄骨3階建で2階までが前面道路に面していて、3階はセットバックしている建物です。

錆びたH鋼が映える

facade
facade

 内部は鉄骨をどうやって隠そうかと悩んでいたのに反して、表は鉄骨を新たに設置しました。
 竣工時に既に錆が始まっています。両サイドの扉や、両袖の壁仕上、1F窓枠も錆止め無しのスチール製です。今後どのような色合いに変化していくのか、とても楽しみです。
 鉄骨化粧柱上部のH鋼だけはもともと塗装されていたので、今回は違和感がないよう黒色の艶消しで塗替えました。

display shelf
display shelf

 表間の様子です。こちらは中塗り壁。
 
 天井はお客様でご用意いただいた和紙貼り。土間は三和土です。

Curved wall
Curved wall

 入口からの様子です。片側にデコリエのR壁、反対側に中塗り壁。そして奥には木賊貼りが望めます。
 
 天井はお客様でご用意いただいた和紙貼り。土間は三和土です。デコリエがもう少し主張するかと思ったのですが、鈍い艶のため落ち着いた感じに纏まりました。いい感じですね~。

hard-packed dirt floor
hard-packed dirt floor

 1Fの店舗スペースは大きく3室に分かれております。そのうち南面している表のお部屋の窓からは程好い光が差し込みます。
 デコリエ(白壁)の曲面に光が反射してとても綺麗でそして不思議な表情をみせてくれます。そこへ入口のスチール製ドアの素地で雑な仕上げがいい感じです。
 奥の間だけは個別に使用していただけるよう障子で間仕切りました。
 開放しているときには、建具の存在に気付かないよう高さは天井までとし、幅は壁一杯としました。

meeting room
meeting room

 裏庭は木賊貼りです。上部にはガンブリ瓦を載せ、下部には桧材の幅木を廻し、格調高いしつらえとしました。
 そして床は鉄板です。木賊貼りに鉄板?と思われるかもしれませんが、これがなんとも絶妙な雰囲気を演出してくれています。このままでも十分かっこ良いですが、これから錆が廻ってどんな感じに変化するのか楽しみです。

stairs
stairs

 天井と壁は他室同様にシナベニヤですが、階段だけは少し違う材種を選択しました。
 お客様のご要望は、木製で土足で歩ける材がということでした。
 ピンカドという材で、かなり硬く目が詰まっていて、少し赤み掛かったシックな感じの色味です。ウレタン塗装されているので、重歩行用として店舗等でもよく使われるそうです。

kitchen
kitchen

 ダイニングキッチンスペースです。
 間取りは1LDKですので、寝室だけを別室に間仕切ったといった感じでしょうか。
 建物全体の奥行が長いので、用途を変えた居場所を長手方向に並べ、奥行を楽しんでいただけるようなプランにしました。

entrance
entrance

 床下収納の取手が並びます。既存スチール製のH形鋼がかっこ良く仕上がっています。
 天井高さは壁際ではかなり低くなりますが他のお部屋と繋がっているので低さは特に気になりません。その高さの変化が返って良いアクセントになっていると思います。

gest room
guest room

 南面の大開口です。冬場の竣工だったのですが、このお部屋だけは日当り良好で杉板のやわらかさと相まって、床に座っていると、つい仕事を忘れてぼーっとゆっくりくつろぎたくなってしまいました。

 京町家・古民家の改修・リフォームのアラキ工務店、米沢からの一言でした。

S造ならではの苦労と配慮

 各所変更を伴いながらも綺麗に納まり、納得のいく仕上りとなりました。大工さんを始め各職人さん達に感謝です。
 より詳しい工事内容をブログにアップしておりますので、是非ご覧ください。


現場監督 米沢 和也 
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