10.京町家の外壁修理

京町家の隣家の解体が3軒続きました。
せっかくなので、どのようなことをしたのか記録しておきます。
隣家が解体されたら、外壁修理のチャンスです。今しかできないことはできるだけ直しましょう。
お互い築年数が不明の場合、解体した方が「一番安い波トタンを張る」のが普通ですが、お施主さんと相談し、できる限りの修理をしようという事になりました。
第1回:解体・補強


最初に解体されたお隣と交渉しスケジュールを伺います。
そして、敷地への立入許可を頂きます。
解体されたら、このようにブルーシートで覆われた状態になります。
まず、足場を組みます。広いスペースに組めるので作業性は良好です。


京町家は隣接して建てられているため、荒壁土の裏返し塗りされていない事が良くあります。
まず、足元が腐朽している部分は、根継をし、柱が下がらないようにします。


壁を少し浮かして古い土台を外し、腐朽している土台は取り替えます。
2Fを支えている梁が白蟻でやられていてボロボロなのですが、床がかかっていて外せません。今回は、上下に添梁を入れ、外部に24mm構造用合板を張ります。
めくってみないとわからないことが多く、施主さんと相談しながら補強します。


だいぶしっかりしてきました。
構造が直ったら、金物補強を行ったうえで、柱の出面や垂直を出すために、添柱を打っていきます。
古い柱は同じラインに並んでいないことが多く、そのまま外壁を張ると凸凹します。
(お隣に貼ってもらうと、できるだけ安くしようとして、綺麗にみえないケースが多々あります)