研修風景
2007年 大工技術習熟研修
今年も相変わらず忙しく、研修の段取りをする時間がなかったので、ユニティツアーズの山本さんにスケジュールを作ってもらいました。
彼曰く、「今まで行ったことのないところばっかりですね(笑)」とのこと。
僕の仕事は、見学お礼の電話と研修資料を作るだけでした。楽チンです。
最初に訪問したのは、妙喜庵さん。
1582年頃に作られた「待庵」という茶室(国宝)があります。
待庵は、日本最古の茶室建造物であると同時に、千利休作と信じうる唯一の現存茶室。現在一般化している、にじり口が設けられた小間の茶室の原型かつ数奇屋建築の原型とされています。
室内の壁は黒ずんだ荒壁仕上。
床は4尺床、隅、天井とも土で塗りまわした「室床(むろどこ)」。3箇所に下地窓、連子窓を開けており、自由な外光の取入れを初めて実現した建築といわれています。
5名以上の団体さんはお断りとの事でしたが、必死でお願いして23名受け入れていただきました。感謝!
アサヒビール大山崎山荘美術館です。
本館も有名ですが、写真は安藤忠雄設計によるコンクリート打ちっぱなしの新館です。
「地中の宝石箱」と命名されています。
地下にはモネの「睡蓮」が展示されています。絵にあわせて建物のすぐ右手の池にも睡蓮が見えています。
おしゃれですね♪
周囲の自然環境や山荘の落ち着いた調和を乱さぬよう、地下に計画された建物です。
階段状の廊下はガラス張りで光があふれ、階段を下りた薄暗い地下にある展示室は光量を落とされ静謐な空間となっています。
でも、既に建てられて10年経ってるためあちこちでクラックが入ってます。
ちなみに、小野君は建物の点検をしているわけではありません(笑)。
お昼ごはんは、ホカ弁を日立のショールームに持ち込み、会議室を借りていただきました。
当日は、「オール電化フェアー」が開催されていてお客さんもたくさんいらっしゃいました。
田中「フムフム、最近のキッチンはすごいなぁ・・・」
常務「しっかり勉強してね♪
森脇「あ~疲れた・・・」
日立「珈琲をどうぞ♪」
秦家住宅です。
現在の建物は、京焼け(「蛤御門の変」1864)と呼ばれた大火で焼失後明治2年に店舗部分が再建されたものです。
古材文化の会で調査している物件です。
秦さんから説明を伺います。
店舗・住居・土蔵を二つの庭がつなぐ「表屋造り」と呼ばれる典型的な京町家。伝統的商家の趣をよく残しているとして昭和58年に店舗・玄関棟部分が京都市登録有形文化財に指定された建物だそうです。
秦さん「この机は何材でしょうか?
秋田「どれどれ・・・」
西田「これは松やなぁ・・・」
町家の歴史とは無関係なところで盛り上がります。
キンシ正宗さんが運営している堀野記念館です。
1781年、若狭出身の銘酒キンシ正宗の初代松屋久兵衛がこの地に造り酒屋を創業した時に建てられました。
創業当時の酒蔵が残っているので見学します。
薄暗くて狭い・・・
この建物は、造り酒屋の佇まいと町家文化の設えを当時のまま今に残しており、2000年には京都市の有形文化財にも指定されています。
ああ、疲れた。
銘水をいただいて、ほっと一息。
旧川崎家住宅。紫織庵とも言われています。
1926年に建てられた木造住宅(洋館、町家大堀造)です。
本当に広大な建物で、これを個人が所有されていると聞き、本当にすごいなと思いました。
全員で、当主川崎さんのお話を拝聴します。
後ろにあるのは、洛中洛外図(作者不詳、江戸中期のもの)。つい最近まで東京都国立博物館に貸し出していたそうです。
天井の仕事をちぇっくしている専務と若山さん。
しかし、ともかくだだっ広い。
柱はどれも四方無節の地トガで、ため息が出ちゃいます。
はあい、晩御飯です。
やっとビール登場。今回は、洛西にある「京都ふれあい会館」に泊まりました。
1泊2食で5000円(4人部屋)と、信じられないくらいの値段。
京都市が建設しその運営は京都市社会福祉協議会が行っています。
例によって宴会。
いつものように、腕ずもうをしてましたが、田中君も参加したことから相撲大会になり、「もう少し静かにしてください!」って怒られちゃいました。
2日目は、弊社仕入先の木材加工会社「木栄」さんにお世話になりました。
社長さんからお話を伺います。「地元の木材の管理から、製材、加工、設計、施工、
管理、土地分譲まで一貫して木の持つ優しさと温もりの詰まった資材と家をお届けしております」
丸太を、3.5寸角の柱に加工する工程を見学します。
1日500本以上加工されるそうです。
レーザーで切る場所を決定し、後はほぼ自動で加工されます。
騒音がすごくて耳が死にます。
足達棟梁の薀蓄を聞きます。
大変ためになりました。
敷地内を自由に見学させてもらいました。
やっぱり、敷地が広いといいなぁ・・・
ログハウス用の内装加工工場に移動。
丸く材料を加工することもできます。ちょっと感動。
仕口の組み合わせ方を確認してます。
今回最後の訪問先は、「関西不二サッシ」高槻工場です。
帽子と手袋を貸与いただきました。
みんな、自動車整備工みたいです。
サッシの加工って意外と地味。
一つ一つの注文にあわせて、バラバラの大きさのサッシを組み立てていきます。
手作業が多くて本当に大変。
ぎりぎりにならないと注文が来ないので、業務の繁閑が大きく大変だといわれてました。
みなさん本当にお疲れ様です。
来年は、どうなる事やら。(もう、近場で行くところが無くなったというハナシも・・・)