コア京都~古材の文化~
2022年6月30日、NHKBS『コア京都』という番組で、当社の施主さん4名と、大工の牛田君・社長が、撮影に協力。古材を使って改修することの大切さを取り上げていただきました!
ナレーション(以下N)「大工は木が持つ力を熟知し、敬いの思いとともに古材を生かしてきた。材木を大事にストックするという先代からの知恵を受け継いでいます。
人が手を加えて時とともに趣を加えていく古材。ここは京都市内の工務店の木材倉庫。町家の取り壊しの際廃棄される建具屋古材を収集し保管している」
荒木「古建具は、何度も使いまわしができるようにモジュールが決まっている。
高さ5尺7寸とほぼほぼそろっているので、大工さんにもっていってもらって、削ったらまた使える。そういう文化が残っています」
N「大工は今も古い木材をできるだけ生かして作業に取り組む」
牛田「古いものを残しつつ、ダメなものだけ削り取って、さら(新材)をはめるというとても面倒くさい作業をしています」
牛田「何十年もかかって古くなっていて、すぐに準備できないから、それを使うだけでも価値があると思うんです。
ひと手間加えたら喜んでくれると信じてやっています」
N「多くの老朽化した町家が解体される一方で、古い町家の再生も続けられている。この町家では、古材を利用した部材が残っていた」
荒木「古い材料ももったいないからといって、再利用する。材料を大事にするという先人からの知恵がつながっているんだなと思います」
N「ほぞ穴が残る柱も。再利用された古材だ」
N「京都市街の中心地にある一軒の町家。建てられたのは今からおよそ130年前だ。
かつては酒や醤油をあつかう商家だった。
江戸時代に焼失した本堂の再建に力を尽くしたお礼に、東本願寺から送られた貴重な銘木が使われている」
N「田中さんは、家を今の姿のまま将来に残したいと考えた。そこで、協力を求めたのは、『古材文化の会』だ。会の活動はさまざまなボランティアによって支えられている。
次世代を担う若者にも町家を知る機会をつくりたいと、田中家を開放する取り組みが始まった」
N「古材で作られた新たな空間が人々の心を暖めている。
路地の奥にある築100年を超える町家。修復工事を手掛けた荒木さんの会社では、季節毎に訪ねて不具合があるか確認している」
N「昔から京都の大工は、工事を手掛けた絵を定期的に点検し人々の暮らしを支えてきた」
木田「実際に見に来てくれるという安心感はありますね。
古い材料を使った建物を後世に残していければいいなと考えています」
N「町家で暮らし始めた木田さん家族。今年で2年目を迎えた。木田さんの家は仕上の塗装をしていない。改修したところがわかるようにそのまま残している」
N「町家は修理だけでなく、新築するときも古材を用いることが一般的でした。修復され今も建築当初の姿を残す町家。屋内に古材が頻繁に活用された時代を物語る場所がある。
玄関の上に作られた木置きという空間。かつて家の修理につかう様々な木材がここに保管された」
N「古くからの木材にかつて暮らした人々の歴史を感じ、新たな木材に自分たちの日々の思いを重ねる。
いくつもの時代を超えて古材は時がはぐくむ豊かさを静かに語りかける。受け継がれる技や思いを大切にする京都の人々。。。」