通り庭・火袋の解体(リフォーム)

戦前に建てられた古民家です。もともと、自転車屋さんだったので思い出の品がたくさん残っています。
年数回しか使われる予定がない建物ですが、使い勝手が良いようにリフォームしています。
古民家の『通り庭』を撤去して車が置けるように
通り庭を撤去して、車が通れるようし、母屋本体を残す方針で進める事になりました。
一部の画像( ● )をマウスオーバーすると、写真が変わります。

左側の通り庭がなくなっています。
マウスオーバーすると写真が変わり、施工前の外観が現れます。
そのまま潰すと古民家が倒壊するため、内部で補強をしてから解体しています。
解体後、新しく壁を作り、補強をしています。2Fの窓幅が縮んでいるのはそのためです。

裏庭からみています。
裏には車が何台も停められるスペースがあるので、法事のときには重宝します。
瓦は解体時に、袖瓦・風切瓦等を残しておき、新しいケラバ上に葺き替えています。
その他の部分は補修のみです。庭側のアルミサッシも再利用しています。

隣の住まいとくっついているために、解体は内側から行っています。
大量の土が塗りつけられてあり、内部の土をめくるのに1週間かかりました。
また、残った葛石はそのままにし、押入跡のみコンクリートを打っています。
建物の際は基礎を立ち上げ、水が入らないようにしています。

室内は、蟻害のある梁を撤去し、新しく柱を建て、必要に応じて筋交を新設しています。
この部分は、キッチンの後ろのため「揺れてもつ」構造ではないからです。

内部は全部壁を塗り替えます。
荒付~中塗は、本来は荒壁土で仕上げたいところですが、今回は厚プラ薄塗で下地をします。
もちろん、前者のほうが良いのですが、費用が大分かかります。
施主さまと相談して、簡単に仕上げられる材料を選択しました。

竣工写真
竣工写真です。
もともとの建具はガラス面が大きく用心が悪いので縦繁格子に変更。トイレ・洗面・浴室は同じ高さでそろえ、木格子をつけました。
外部は漆喰塗ではなく、モルタル下地+艶消EP塗にしています。
雰囲気は、漆喰調。値段は半分程度です(^^)

建具と漆喰壁は新調。大和天井と床板張は既存補修のままです。
式台は、現場に残っていた欅の板を加工して造りました。

もともと田の字型に和室が並んでいたので、そのうちの1つをキッチンに変えた以外、ほとんど以前のままの間取りです。
ただ、床は全体的に傷んでいたので、大引・根太・敷居を撤去して新調しています。
建物の状態が良かったので、揚げ前も3cmほどで収まりました。

この建具はそのままです。
庭は、施主さんが時間をかけて自分で造園されるとの事でした。
できあがりが楽しみです。(^^)
とはいえ、朽ちている柱もあるし、道路際に建っているため、車も置けない。
おくどさんも残っていて大変よい状態だったのですが、全解体されるより遥かに良いと考え、今回の改修にいたりました。
車の置き場についてはいつも悩むので、参考になれば幸いです。