アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

蔵を18cm上げる

 傾いた蔵を真直ぐに直した事例をご紹介します。
 
 以前、弊社で母屋(京町家)を改修したのを気に入っていただいたお施っさんからの追加工事です。
 長い間、物置になっていたのですが、せっかくの蔵が物置ではもったいないので、1Fは客間に、2Fは書斎に改造しました。
 
 工事前に現場調査したとき、柱や床組を計測すると、左に大きく倒れていました。そのため、『足元が傷んでいるだろう』という想定で、基礎と補強に、重点的に取り組みました。

ジャッキアップの作業風景

竣工し、蘇った蔵

 建物全体と、妻側の外観です。
 トタンは漆喰に、吹付タイルは焼杉板に変更しました。従来、庇の下とは違い部分に窓が開いていましたが、当初あった場所に戻しています。

 正面2Fの窓と、蔵正面の入口です。
 左官屋さんに役物を綺麗に復旧してもらいました。蔵戸は、開け閉め大変なので開けっ放しにし、内部に木製の引戸を設置しました。

 蔵2階の内部です。
 既存の小屋組をそのまま化粧で見せています。壁は漆喰塗。天井は漆喰クロス。床は楢材を使っています。出窓のようにみえますが、壁が分厚いためです。

 母屋を通って改修しなければならず、工事中は、町家の1Fの畳をめくり、養生して作業をしました。建築廃材の搬出や、コンクリートの搬入など、通常の工事以上に苦労しましたが、3ヶ月もの長い間、お施っさんに我慢頂き、本当にありがたいと思っています。
 
 今回はすんなりと壁土があがってくれましたが、それでもジャッキアップだけで2週間くらいかかりました。苦労しただけあって、素敵に仕上がって本当に嬉しいです。また、このような工事があれば是非担当したいと思っています。
現場監督 松原 豊
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