古民家の再生 縁側のある古民家I
古民家リフォーム工事。
だれもすまなくなり痛みが進んでいた民家を、お施っさんの里帰りにあわせて全面改修。
雨水が床下に廻り、いろんなところに傷みがあったが、場当たり的な応急改修ではなく、構造からバラして根本改修を実施。同時に天井を高くしたり、階段の勾配を緩くしたり、床暖房を入れたりと、快適に住むための工夫を加える。
古民家 施工前・施工中写真
今回も、床を全て解体し、構造材のイガミや沈下を直すところから施工。

痛々しい外壁・めくれた杉板…

波板で伸ばされた屋根のため塗れなくなった濡縁

おくどさんが壊れその隣にガスコンロ

1.8mほどの天井高。風合いのある天井板だが、背が立たないため、撤去に。

台所前のトイレを撤去。後で増築された部分を、元の状態にリセットするところから全てが始まる。

瓦と土を撤去すると昔ながらのトントン下地。踏み抜かないよう細心の注意。

荷のかかっていない柱の足元を切断。根継をして屋根を支える強固な柱に。

垂木の間に断熱材を充填したあと、桐板を母屋木間に張上。上から張る通常の施工とは違い、母屋木の凹凸に削り合わせ加工。

消石灰に砂、糊、スサなどを混入して塗りつける昔ながらの施工方法。日本独自の伝統の色。鏝押さえによる仕上。

竪合わせ工事。ほぼ仕上がっているため建具職人は細心の注意を払う。敷鴨居にあわせて建具を削る。
古民家 竣工写真
見違えるように綺麗になった民家。外国からのお客様も大変喜ばれています。

外壁・屋根・基礎共一新。2階を低く抑え、バランスを考慮した間取り。

正面竪繁格子戸が入口。框はピーラー。床は竹積層材。車椅子でも通行可能な広い玄関。

昔ながらの技法。2分の南部石を混ぜたモルタルを打ち、表面の石灰分を水で洗い流す。

玄関から座敷を見る。竹のフロアは床暖房対応品。昔と変わらない間取り。

唯一の畳室。落ち着く空間。押入の向こう側は縁側からの収納に。

座敷からミセの間を見る。スリアゲ障子を開けると濡れ縁。

外部建具はペア硝子に。濡縁は全てウッドデッキ材にて新調。正面奥には外部収納。

天井は桐板。壁はキッチンパネル。トーヨーキッチン製の厨房。天窓の光がまぶしい。

家具店にて製作した洗面台にあわせて鏡・照明等を設置。

天井は桐板張。手摺は杉小丸太。壁は全て漆喰塗りなおし。

天井高170cm程度だったが、既存竿縁天井板を全て撤去し、母屋木間に桐板張。

間取りは既存のまま。左官壁塗直し。屋根野地直し。床下構造材レベル調整+耐震補強。襖・金属建具・照明など内装は一新。
そのため、いろんな国の方が、ご自宅を訪ねられるそうです。
より多くの方に、日本の伝統的な住まいのよさをしっていただき、古い建物を大切に残していく事ができればと願っています。
過分のお褒めをいただき感謝の毎日です。大工も楽しい仕事ができて満足しています。古民家を改修するときは、これからもいろんな工夫をしていきたいと思っています。