アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

洋館の改修・リフォーム

 戦前に建てられた洋館です。以前、個人医院としてお使いになられていたのですが、病院を閉められてからは住む方もなく荒れるままになっていました。
 5年くらい前からご相談を受けていたのですが、大変多忙なお施っさんで、なかなか着工できませんでした。
 お父様もご高齢でご心配されてましたので、私の方から「このままだとずっとそのままになってしまうかも…」とお勧めし着工させていただくことになった案件です。
建物自体はしっかりしているように見えたのですが、板金のない建物だったため、雨水があちこちから侵入し、梁・土台・窓枠と構造材の半分近くを取り替えることになりました。しかし、内部造作は大変立派な材料が使ってありましたので、できるだけ再利用しています。
 今回は、一部の画像( ● )をマウスオーバーすると、施工前の写真になります。


看板を記念に残しました。
医院だったことを忘れないために…

古い洋館を直す 1F


外 観 ● 

 外観です。
 屋根は痛みが激しいため野地から全面葺き替えました。
また外部建具はほとんど木製でしたので、この機会に全てアルミペアガラスに入れ替えています。
 防犯のために木製の格子をつけました。これで、アルミサッシが余り目立たなりました。


道 場 ● 

 診察室と控え室をくっつけて大きいたたみの部屋に作り変えました。リフォームに際して建具を外付にしたため、既存建具の枠が残りました。
 その枠を利用して紙障子をつけています。
 意外と洋館にマッチするのでちょっとびっくり。

リビング(いろんな角度から…)

 受付と台所と女中部屋と廊下をくっつけて広いLDKに作り変えています。
 天井は、杉厚30㎜の上に断熱材を敷きました。室内の空気を循環させるために天井に扇風機を取り付けています。
 天井付近に見えている丸太はもともとは違う位置に入っていたのですが、見栄えを優先するために移動させました。
 壁は、荒壁のあるところはできるだけ荒壁を残して漆喰塗。新設壁は杉板を腰張しています。
 もともと受付台があった開口を生かし、廊下にあった下地窓を移設しました。


キッチンと洗面所

 キッチン/お施主さん支給のコンロ。大火力のため有圧換気扇をつけています。
 このコンロにあわせて壁にステンレスヘアラインを貼りました。
 
 洗面所/作り付けに見えますが、実は、INAXの洗面台に杉板をぺたぺた張って作っています。
 引き出しにも板を張って引き手を付け直しています。

古い洋館を直す 2F


お風呂と階段

 お風呂/この石は、お施っさんが九州から取り寄せられたものです。
 ケロリンの洗面器は私のストックから寄贈しました。
 
 階段/幅120cmもあり、蹴上も18cmと大変上りやすいのでそのまま使っています。
 ここにも壁に文庫と新書の収納棚を付けました。
 では2Fにあがってみましょう。


2F廊下 ● 

 階段をあがったところの2F廊下です。
 痛みが激しいため、外壁・外部建具・床・床下・梁!・柱!(一部)を新調しています。
 天井も、屋根裏をめくったときにつり直し、洗い屋さんに薬品で3回拭いてもらっています。
 左手の建具は赤杉で大変立派でしたので、きれいに磨いて障子紙を張りなおしました。
 南側の窓を大きく取っていますので、天気の良い日は日光をたくさん取り入れることができました。


2F和室 ● 

 床の間がなくなって正面に建具がついています。ここに2F用の洗面とトイレを新調しました。
 
 襖も張りなおしています。京都にない柄をご希望でしたので、大阪の襖屋さんから見本を取り寄せて選んでもらいました。


左官軍団と津田電気さん。
いつも頑張ってくれて、本当に感謝しています。
 
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