招喜庵(重森三玲旧宅)
仕上がった長屋門と新しく作った築地塀です。
塀にはフットライトを入れています。
新しく長屋門の左側にも築地塀を設けているので、長屋門がよく見えます。薄暮に光が映えて美しい風景です。
玄関上の軒裏は非常に手の込んだ塗り付をしてあります。
かなり老朽化が進んでいましたが、何とか補強をして塗り替えました。ムシコ窓も新しくつけました。入口のデザインや戸はそのまま再利用しています。
この中央の4枚建具が本玄関で、お客様用ですね。
さきほどの写真の玄関が左側に見えますがこちらが通用口です。
右側が4.5畳のお茶室です。この障子のデザインは重森三玲氏の独特の形です。
右側の木製目板格子戸は玄関内部の潜戸です。
外側の戸は開き戸で大きく開く、内側の戸は片引戸です。
通常は開き戸を閉めて、内側の戸を使用します。
これは木製のポンプです。
消火用の簡易な手押しポンプかな?
動きますが、はてさて水を吸い上げて噴出せるのかは不明です。
ここは古い土間の上に無垢フローリングを張り、ダイニングにしました。
高い吹抜です。
古い梁や柱を油で磨いています。
黒光りしています。
4.5畳の茶室から中門と表の庭がよくみえます。
この表の庭が、アクオスのCMで有名になった石庭です。
今回工事をした招喜庵に隣接しているのです。
一度全てのガラス戸はずしてまん中に座りましたが、あまりの景色のよさにビックリしました。
こちらは畳の部屋、大小合せて12室あり縁側も畳敷なので、柔らかい足当りです。
部屋が続いているので、仕切りの襖をはずすと大きな畳の広間になります。
また縁側の仕切りも障子なので、ここもはずすと更に大きく広がります。
玄関外から見える丸窓の4.5畳茶室の内部です。
三方共ガラス戸で、障子を全てはずし、外が見えるようにすれば良い景色になります。
襖のデザインも重森三玲さんの復刻です。
照明は、京都の手作り照明器具専門店にて、数点注文し製作しました。
襖はこの他にもさまざまなデザインがあります。我々が考えるよりはるかに斬新な図柄があり、三玲さんの思いが伝わってきます。
縁側部分です。
床は畳敷です。
縁側にも、和服が展示できるように、スポットライトを仕込んでいます。
女子トイレ、洗面所は内部を全て撤去し一新しました。
床は敷瓦、壁は中塗仕上げ、天井は大板天井です。
柱や地覆は細く華奢な造りで美しさを表しています。
ここは男子トイレ。女子と同じように落ち着いた内部仕上げです。
便器は最新式で、SDカード内蔵です。
用を足しているときに、お好きな音楽♪を流す事ができます。
この冊子は、財団法人 京都市景観まちづくりセンターが発行されています。
少し重いですが、是非ごらんください。
面積が広く、職人さんが10人以上入っていた時期も大変多かったように記憶しています。
重森三玲さんの茶室及び庭部分と、母屋の大改修(長屋門・ガレージも含む)とは、たがいに補完しあって、非常に良い佇まいになったと思っています。