アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

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貸し家の改修III

 みなさんこんにちは。専務の村上幸男です。
 かなり傷んでいる民家です。「これはもう解体するしかないカナ?」と思われるくらい傷んでいるのですが、これをなんと改修する事になりました。
 どれだけ傷んでいても、頑張ればなんとかなるものです。ハイ。近所の人から「見違えるようになったね」と言われるのが嬉しいデスネ。

再開発を待つ状態の民家を大切に残す


着工前の民家。屋根は朽ち、柱は下がり、解体を待つ身

窓は外れ、動物の住処に。どこから手をつけるかナ?

 屋根を見ると、瓦の上になんと波板が張られています。だいぶ雨漏りしているようです。
 柱もほとんど足元が腐っています。中に入ると、梁が白蟻にやられてグサグサ。うーん大変そう。
 
 でも、頑張ればなんとかなります。普通は、こんな建物をみると、「できませんよ」と言うところですが、うちの大工は、ファイトを燃やします。エ、やってやろうじゃないの! っていう風に。
 
 そうこうして工事に着手です。


ほとんどの柱は根継。継ぎ手加工のよい勉強です
 

使える材料は古くてもできるだけ再利用です

 いや、かなり傷んでいましたが、木造の家は、傷んでいても、荒壁や下地材などいろんなところで支えあっています。きちんと直して、土をつけなおしてやれば、見違えるようになるはず。だいぶ工期がかかりましたが、経験者を集めたので、皆嫌がらずに頑張ってくれました。感謝、感謝♪。
 あ、職人さんたち、ヘルメットしてませんね。すみません。やはり事故が怖いので、今では徹底しています。安全第一です。

生まれ変わった民家

 長い間足場をしていました。結構車の往来が激しい所だったので、いろんなひとに「びっくりしたわ」といわれます。木部は、ベンガラ系塗料。壁は白漆喰塗。屋根はもちろん全部葺き変えています。

 出格子と建具を新調。腰板も、鎧張りにしています。京都らしい雰囲気になりました。
 下屋も垂木が腐っていた部分は取り替えて塗りなおしています。

 出格子と建具を新調。腰板も、鎧張りにしています。京都らしい雰囲気になりました。
 下屋も垂木が腐っていた部分は取り替えて塗りなおしています。

 このお住まいはこちらにも入口があります。大通り側の入口とデザインを合わせています。
 駐車スペースを作るために減築をしています。
 古いお住まいには、焼板が似合いますね。

 腰板+漆喰塗。一文字瓦葺。とても、素敵に仕上がっています。
 右側隣地境界には、ブロックを積んでその上に杉板を菖蒲に張っています。
 雨仕舞のために、笠木の上にがんぶり瓦を乗せています。
 僕もいつかこんな家に住みたいナ。(~_~)

 工事前に、ご近所への挨拶廻りをしたとき、全ての人が、「エ、アレ直すの?解体しないの??」と言われました。
 「イエイエ、直すんです。綺麗になります」といって工事を始めました。本当に綺麗になりました。
 都市計画上、新築ではこのような建物はできない地域です。ですので、結構目立ちます。
 
 同じような建物があれば、解体の前にもう一度お考えください。「直ラナイダロウ」と決めないで相談してください。 お待ちしています。
現場監督 村上 幸男
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