注文住宅 木造のクラブハウス

この工事は、竹中工務店さんからの依頼で施工しました。
学校の中で墨付加工をし、大学の建築家の生徒さんが作業風景を見学されるということで、少し緊張しながら施工しました。
大変暑い中、一夏かかって完成しました。
日陰がなくて、本当に大変でしたが、今では良い思い出です。
手刻みで建てる新築の味わい



構造材が置かれている部屋は、建築課の生徒さんたちが使う部屋です。写真には写っていませんが、
同じ部屋の中に振動実験の機械や材料加工用の工作機械などもあり立派な設備が整っています。
雨が降っても作業できるとはいえ、ともかく暑い!
工事用の大型扇風機を何台も持ち込んで作業しましたが、熱風が吹き込んできます(笑)。



基礎ができたので土台伏せをしています。ともかくでかいので、1つ1つの工程に時間がかかり、注文住宅との違いを実感します。
建て方も同様。
あまりにも部材が多いので、材料を探し出すのが大変。組むのもパズルを解くような感じです。



体育会系の部室なので、1部屋1部屋が大きく、半間ピッチで梁背の大きい材料を入れていきます。
ほとんど全ての構造体が化粧で見えるので、あてないように慎重に組んでいきます。
上棟開始から4日後に上棟式を行いました。学園の理事長さんの手書きの名前が入った棟を上げ、神様に感謝し工事の安全と完成を祈願します。
今回は、先生代表と生徒代表の方も参加しました。

2F廊下を支える梁が見えています。
天井はこれで完成。屋根を除くほとんどの外装・内装が全て木材。
仕上げにはクロス屋さんもサイディング屋さんもタイル屋さんも登場しません。
壁を張るだけでも同じ作業がえんえんとあるので、腕が疲れます。



この建物は、金物は最小限しか使わず、このようなコミ栓打などで固定していきます。
築山くんがやっているのは階段部分。
いろんなところが見えてくるので、手摺の組み方も一苦労です。
木の香りに包まれたクラブハウス

完成写真です。構造体自体が大きな意匠になっているのがわかると思います。
今回は、桧の柱、米松の梁、地杉の壁材、そして雨が当たるところはレッドシダーを使いました。
木材のよさが引き立つ外観だと思います。



美しいですね(笑)。
構造体を見せる場合、設計段階から組み方・納め方を考えないといけないので本当に準備が大変んでした。でも、こんなにきれいで、木の香りがふんだんに漂う部室を使えるなんて、うらやましい限りです。
では、階段を登ってみましょう。

夕日を浴びて輝いています。ここでどんなドラマが生まれるのかな?
数年たつと、あちこちが日に焼けてきて、蜘蛛の巣も張ってくるでしょう。でも、それが本物の木が持つ味わいではないかと感じられると思います。
さて、2Fの通路を歩いていると、奥のほうに平屋の建物が見えます。これも、弊社で施工させていただきました。そちらのほうに行ってみましょう。

こちらは、トイレとか、足洗い場とかがある平屋の建物です。
実は、この建物も一緒に施工しています。



水周り棟の内部は便器が並んでいるだけなので写真はありません。
母屋の内部には手洗いやシャワー室もあります。
家具など何もなく、いたってシンプルです。

一時期は、それを嫌い、いきおい合板や・樹脂注入材といった新建材を使わないと欠陥のように言われたこともあります。
でも、今は、無垢材の良いところや悪いところを充分に知っていただける施主さんも増えてきました。
建物は建った時から劣化が始まるといいます。でも、本物のもつ味わいは建った時から増していくもの。
木に囲まれて育った学生さんが増えて、自分の家もそうしたいと思ってくれることを願ってやみません。