無双窓のある家

今回のお住まいは、自然素材を使った古民家風の木の家を新築したいといったご希望を受けて設計しました。
特に、限られた1階の床面積の中に生活に必要な機能を整理して配置し、なおかつ息苦しくないようにいろいろと工夫を凝らしています。ご参考になれれば幸いです。


南向きの正面からの外観は、物干しを備えながらも木の家らしくなるように考えました。
玄関には北山の磨き丸太。数奇屋風の照明はアンティークのものです。


主な生活スペースを間口2間の1Fの間取りにギュッギュッと詰め込んでいます。
建具を壁へ引き込んで1Fを広く使えるようにしたり、建具自体をルーバー状にして奥行き感を出し、少しでも息苦しくないようにしました。
キッチンのある吹抜が、階段室を兼ねており、紙障子の向こうは物置用ロフトです。京町家の織屋建てにヒントをもらっています。


TVコーナーは大工さん手づくりの引き出し、パソコンテーブルが造りつけです。
洗面所はお客さんがセレクトした外国製の手洗いをつけ、硝子の棚と鏡で広く感じられるようにしています。壁と床は青森ヒバ材です。


物置用ロフトに上がると家全体の様子が感じられ、はからずも一番よい場所になりました。
2階の表の部屋は南向きの大きな窓をはさんで、ベランダとあわせてゆったりつかえるようになっています。
壁に塗られている漆喰は、一般の石灰を原料としたものではなく、貝灰です。
お施主自身も、お仕事が終わられてからなんども現場を見に来ていただき、熱心に関わっていただきました。そのお蔭でよいお住まいができたのではないかと思っています。私もたくさんの学び・気づきを得ることができました。本当にありがとうございました。