京町家のリフォーム 見晴台のある京町家
お施主様が検討されていた町家に3階がついていました。
せっかくなので、見晴台として再利用することになりました。
少々暑いですが、春と秋は大変気持ちがいいです。
ビールを見晴台まで持っていくのが少々大変です。


瓦は一文字軒。元々、外部がビニール波板で覆われていましたが、全て撤去しすっきりさせています。
以前、仕出のご商売をされていた町家で、ミセニワの建具も大きな硝子がはまっています。
格子戸のある京町家に比べると明るい空間になりました。


ハシリニワは、給排水のやり直しと、キッチンの入替えをしています。嫁隠しの向こう側に冷蔵庫が隠れています。
土間はたたき風洗い出し仕上げです。
ヒブクロ正面の窓の向こう側は渡廊下になっています。そちらから台所を見下ろすこともできます。


ミセノマには小さな床の間があり、ダウンライトを埋め込んでいます。一輪挿がお洒落ですね。
ゲンカン間の紙張障子付の襖はもともとあったものの張替です。
ミセノマからの光がここまで漏れてきて、いい感じです。

ザシキは、建物のゆがみを直し、腐朽部分を取り替え、床組を新調した以外は、ほぼ元のままの意匠を再現しています。
床の間と床脇にはダウンライトを入れています。
落ち着いた空間になりました。


2Fにも立派なザシキがあります。障子紙は石垣張りになっています。照明器具は施主様がご自身で手配されたものです。
建物の奥には小さな離れがあります。この離れに行くには、一旦土間に下りて歩いていかなければなりません。
もともと、物置だった空間を改造しています。


その結果、1Fは浴室、2Fは書斎になりました。
浴室は、瓦調のタイルに桧板。あえて窓ガラスは透明にし、専用のお庭がみえるようになりました。
書斎には、大きなはめ殺し窓を配置。隣の庭木がとてもよい借景になっています。
天井と壁は和紙張り、床は絨毯敷です。

ぼくも少し映りましたが、海外向けの番組だったようで、反響はあまりありませんでした。
外国の方には灰汁洗いという仕事があること自体不思議だったのかもしれません。