黒門 京町家
長年ご商売をされていた和菓子屋さん。
何度も改修され、店舗として活躍していた町家。
いろんな思い出、たくさんの出会いを経て今も残る。
でも、時は流れ、お店はなくなったが解体するには忍びない・・・
大切な住まいだからこそ、「ご苦労さんだったね」と声をかけてあげたいですね。これからも、末永く苦楽をともにした住まいとともに暮らしていければ素敵です。
リフォームの前と後
- オクからミセを見る
- 京町家 外観 ●
- 京町家 ミセ庭 ●
- 京町家 ミセの間 ●
- 京町家 ダイドコ ●
- 京町家 オクの間 ●
- 京町家 2F階段 ●
- 京町家 2Fナカ ●
- 京町家 2Fザシキ ●
- 2F表からオクを見る
文章をクリックすると施工後、 ● をクリックすると施工前の写真になります
『看板建築』から本来の京町家への再生
場当たり的な改修が繰り返し施工された京町家。
改修前、トウリニワの一部を除き、京町家の面影は皆無。もちろんファサードも『看板』に覆われて本来の姿は不明。
施主様との協議の結果、改修方針としては、以下のの4点に絞り改修工事を着工。
- 場当たり的な改修を全てリセット
- 電気設備、給排水衛生設備、ガス設備などの設備を一新
- ファサードの『看板建築』を本来の姿へと再生
- 構造改修及び補強
特に重点を置いたのが、『構造改修』。1階で商売を営まれていた関係で、多くの柱が抜かれていた。
それら柱を『在るべき位置』へ据えつけて、『在るべき構造』へと導いてゆく。
蘇った『構造』は、それ自体が『意匠』。そんなに厚化粧しなくても十二分に美しい。
骨(構造)を直し、内臓(設備)が一新された京町家。安心で美しい空間が再生できたと思う。
現場監督 小野 敏明