アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

昭和モダン再生住宅


施主様支給のキッチン

 ふとしたご縁で、枚方市にある円坐設計様から改修依頼をいただきました。
 滋賀の郊外にある昭和に建てられた平屋建の木造住宅です。この木造住宅を吉村順三風に全面改修することになりました。
 
 いろいろと仕切られた部屋を使いやすいように工夫しています。

1) 施工

玄関/リビング解体/廊下解体
玄関/リビング解体/廊下解体

 戦後の建物なので、荒壁などはなく、床下もコンクリートスラブがあるモダンな建築物です。一旦内部を下地材まで撤去しています。

柱入替/構造補強/水道配管
柱入替/構造補強/水道配管

 屋根がアスファルトシングルで、勾配が緩く、天井高を確保できるよう工夫しつつ柱を入れ替えています。
 床下に全面コンクリートが打ってあるため、水道配管を入れるために、穴を空けています。溝川君、姿勢がいいです。

化粧丸太/断熱材入/壁下地
化粧丸太/断熱材入/壁下地

 床の根太を組み、大スパンで柱が抜けないところは、化粧丸太に入れ替えます。
 床下は、スタイロフォーム40mm。壁にはグラスウール100mmを充填しています。弊社では、胴縁として、桧の端板を使っています。

2)竣工 昔の雰囲気を再現し、清潔な内装に

玄関/廊下/リビング
玄関/廊下/リビング

 玄関建具は雨が当たりにくい所なので、木製親子ドアに入替。この廊下と玄関の間には、片引戸を配しています。
 建具はラワンベニヤをオスモバリサンダーで、少し濃い目に塗装しました。リビングと縁側の間の壁や建具を撤去して広い空間を実現しました。

リビングからキッチンを見る
リビングからキッチンを見る

 縁側の化粧野地は、改修前の意匠をあえて残しています。
 天井の照明器具は、製作物です。いろんな色パターンを楽しめます。
 北山杉の化粧丸太は、補強のために新しく入れたものです。
 左手の壁面収納は新設です。

L型キッチン
 L型キッチン 

 このL型キッチンは、タモ製のオーダー家具です。
 天井には和紙を張り、吉村順三風に、竿を何本か渡してみました。

縁側 玄関通路
縁側 / 玄関通路

 正面は押入を造付デスクに改造しています。この縁側の突き当たり右側に和室があります。
 床は全面、栗のフローリングを張っています。
 照明器具はできるだけ邪魔にならないように、ダウンライトを配しています。

2洗面脱衣室
洗面脱衣室

 水廻りは一新しました。洗面所と脱衣場の間にも引込戸を設けています。
 水廻りはたくさんの小物が必要になるので、収納棚を多めに造っています。

寝室
寝室

 こちらは、大壁和紙張りのシンプルな寝室です。
 和室の間取りそのままに、壁面収納を造り、紙張障子を新調しています。
 ラワンベニヤも濃い目に塗るとなかなか良い感じですね。

 今回の工事は、円坐設計の田中先生と初めてご一緒させて頂く現場でした。最初にお会いしたときに、『吉村順三先生風で、更には昭和モダン風に!』という強いイメージをお持ちでしたので、そのイメージを自分なりに想像しながら工事に臨ませて頂きました。
 
 特に難しかったのは、廊下の天井廻りで、最終的にどのような納まりになるのか、図面だけではなかなか読取れない部分がありました。
 実際に工事を進めながら打合せを重ね、やっとイメージされているお考えが分かってきたときに、これで工事全体の内容を把握できたと、ホッと胸を撫で下ろしたことを覚えております。
 
 特に印象的だったのは、建具や壁に貼ったラワンベニヤに着色をした仕上がりが、がとても感じ良かったことです。
 これまでは木部にはなるべく色を着けず、クリヤオイル塗装で素地の色を楽しんで頂くということをお勧めしておりましたが、お部屋や建物の雰囲気によっては、着色して全体を纏めるということも時には必要だということを教えて頂きました。
現場監督 米沢 和也
ザ・ハウスさんが、こちらのお住まいの写真を記事に使っていただきました!
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