研修風景
2019年 従業員実務研修
今回の研修担当は、現場監督の小野君です。
20名ほどなので、小型バスを予約したのですが、エンジントラブルとかで、大型バスに切り替えてもらいました。
かなり広くてらくちんです。
最初は春日大社の近くにある志賀直哉旧居へ。
道すがら、瓦と荒壁土をサンドイッチにした趣のある土塀にびっくり。
これなら、僕らでも作れそうです。
旧志賀直哉邸は、昭和初期に志賀直哉自身が設計したものです。
現在、奈良学園が所有し、セミナーハウスとして一般に公開されています。
ボランティアガイドの方から、詳しく説明を伺います。
数寄屋風の造りですが、洋風の様式も取り入れた当時としては、非常に進歩的で合理的、美的な工夫を随所に凝しているのが特徴です。
直哉は、ここで、執筆活動を行い、昭和12年に長編小説「暗夜行路」を完成しています。
次に訪れたのは奈良県葛城市にある當麻寺。
本堂の内部は内陣と外陣に分かれており、そのうち内陣には天平様式の切妻造建築に用いられていた二重虹梁蟇股の架構など、奈良時代の技法が認められます。
この曼荼羅堂は、天平の名残を残す平安時代後期の和様建築として、極めて貴重なものです。
あお寺の由緒や、壁画のいわれなどを、ご住職の奥様から詳しく説明いただきました。
その後、奈良3名園の一つ、中之坊香藕園の建物内で、精進料理の昼食(若者には少し物足りない・・・)。食後の散策を楽しみます。
東塔を借景とし心字池を中心とした桃山期の名庭で、江戸時代初期に現在の姿に改修されたそうです。
次は橿原市の今西家住宅へ。
重要伝統的建造物群保存地区として選定されている今井町の一角にあります。近くの駐車場から向かいます。
建物は、外観を白漆喰塗籠で、大棟の両端に段違いに小棟を設け、入母屋造りの破風を前後喰違いに見せ、本瓦葺で、堂々とした外観になっています。内部は広い土間と六間取りの部屋および別棟の角座敷きが付属しています。
梁は、細い幅の面を数多くつくって、元の丸太の形をあまり変えない「瓜むき」といわれる加工法で、戦国時代の城郭建築の特色を残しています。
昔ここで、裁判が行われ、罪人は小屋裏に収容されたという事も。
御当主の娘様から、その歴史を教わります。
多くの古民家が現存している今井町は、東西約600m、南北約310m、面積にして17.4haの地区内に、全建物数約1500棟弱のうち、約500棟の伝統的建造物が存在しています。
当時の地元の建材を用い、職人の緻密な技術を施して建てられた家々は、土地の風土や自然、歴史を色濃く反映しており、民家建築の貴重な財産だといえます。
民宿に行く途中に、谷瀬の吊り橋に立ち寄ります。
日本有数の長さを誇る鉄線のつり橋。スリル満点。意味もなく、橋を往復する大工さんたち。
さて、翌日は、熊野古道をプチ体験。
熊野本宮に通じる小辺路をちょっとだけ歩きます。
ここは三軒茶屋跡にある休憩所。
ちょっとした森林浴ですね。
ほぼ手ぶらなのでらくちんです。
熊野本宮に到着。お疲れさまでした~
各自参拝して、今回の研修は終了です。
令和初めての研修旅行。地元京都ではなく、奈良まで足を延ばし、各伝統建築(数寄屋・社寺・古民家/町家)に触れる機会を求め、十津川村から熊野古道をとも歩きながら古代から中世の価値観を肌で感じた。
また、社員一同で安全祈願に熊野大社に詣でる事ができ、あの日以来事故もなく平穏に日々過ごせているのは偶然ではないと信じます。