アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

Q2.風呂の水漏れ

A2 以前の施工では「水が漏れる」のが通常でした

「今でこそ、ユニットバスというものが登場し、風呂の水漏れという施工主泣かせの問題が解消されつつあるけど、そもそも『家の中に水を溜める』という行為に無理があるのであって、水は漏るものと考えておいたほうがいいのよ」

「えーっ、なんで? そんな事いったら、身も蓋もないなぁ」

「そうね。だって、防水モルタルだって、FRP防水だって、地震がおきたら一発ね。地震がおきなくても1箇所でも穴があいてたらそこから水が浸透するわ。水の入りやすいところは、浴槽まわり、入口タイル立ち上がりの隙間、窓枠の隙間っていうところね」

「・・・」

「ただ、水が漏ったら早めにその都度点検し、土台や、根太がいたまないうちに適当な処置をするのが大切なの。
 京都に古くから伝わる京町家の場合、台所は土間に、風呂とトイレは裏庭の奥という、居間から離れた場所に作られてたわね。これは、『水は漏るもの』ということを前提に施工された昔ながらの知恵だった訳」

「ふーん。でも、やっぱり、風呂とかトイレは、寒いのやいやだなぁ。やっぱりリビングの隣が楽チンだよね」

「そうね。がまくんのいうとおりね。でも、おかげで、工務店さんは大変だったのよ。風呂の廻りにブロックを積み、構造材には防腐剤を塗りまくり、コーキングし、モルタルをつめまくる・・・それでも「結露した」とか、「水が漏った」とかいう苦情に悩まされ続けたの。
 最近でこそ、浴室ドアも改良されたけど、10年前ころは、『サッシの踏み板の上からビスで、下地材に止める』という構造になっていたため、ビスの穴から、水がじわじわしみだしたり、サッシの縁を伝ってタイルの中に水がしみこんだりしてたの。
 また、バスタブがステンレス製の場合はね。10度~42度の間を1日1往復するため、バスタブが毎日伸びたり縮んだりするでしょ。一方、タイルはさほど伸び縮みしないものですから、どうしてもバスタブとタイルの境のコーキングが痛んできます。それをほっとくと、そこから水が入って床下がしけっぽくなるのです。

「じゃあ、タイルの横にヒビが入ってるのは?」

「これは、ブロックと土台の継手ね。ここも、ブロックと土台では、伸び縮みの度合いがちがうので、どこの家にいっても割れてるわよ。ブロックと土台の継手にタイルの目地がぴったり合えば、目地に沿って割れるので目立たないけど、タイル割りは難しいからね。あんまり気にしないほうがいいわよ。
 このように、在来浴槽は本当に大変なので、『ペットボトルの中に風呂を入れたら、水は漏れないのではないか!?』と考えて作られたのがユニットバスというわけ。継ぎ目のない箱の中に入っているから漏れる心配がないでしょ。
 がまくんの今のお風呂だったら、隙間に気がついたら、ホームセンターでコーキング材を買ってきて、早めに『ちゅ~~~』と補修しましょう。結構簡単よ!」

「はーい。もちろん、防カビコーキングだね!」

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