家を建てるのはいくらかかる?
よくわからない坪単価
新聞を読んでいると、たくさんの折り込みチラシが入っています。スーパー・健康食品と並んで多いのが不動産情報です。インターネットで調べても、なにが正しいかわからないくらいです。さすがに、昔のように坪30万を切るような坪単価は鳴りを潜めましたが、それでもあおるような宣伝文句があふれています。
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でも、知り合いの工務店さんに聞いたら、建築費は坪80万円はするという…
試しに、住宅展示場にいってみると、豪華な設備・広い間取り・高級感あふれる内装で、家族の希望は高まるばかり。坪100万越しそうな家ばかりです。
自分が望む水準の家は、一体いくらでかえるんだろうか・・・(-_-;) 誰しも不安に思われるのでは、ないでしょうか。
実は、私は、H12年3月まで某生保に16年間勤め、家の事情で180度違う職業である「工務店」経営に参画することになりました。
売値の決まっている、生命保険と異なり、住宅は1つ1つが手作りであり、どんな材料をつかいどんな手間をかけるかで、全然費用が変わってきます。
また、売値が不透明であるということは、どれだけ利鞘をのせるかは、工務店にとってさまざまです。たくさん広告をしたり、借入利息がかさんだりする場合は大きく、無理してでも契約したいときは小さくなります。
契約した後も、時には、売値の3割の利益がでることもあれば、発注のミスや近隣トラブルなどで赤字がでることもあります。特に、輸入品や特許品など初めて取り扱う特殊な仕様の場合、「どれだけ手間がかかるだろうか」というのを一歩間違うと命取りになってしまう業界です。
日々、カルチャーショックを感じながら仕事をしているわけですが、業者以上に一般のお客さんはもっとわからないのではないでしょうか。
建築業者さんの知恵
零細企業が地域で成功するには、他社と差別化するために特別な技術や商品が必要です(いわゆるランチェスター戦略)。でないと、「他所と何が違うの?」と言われてしまいます。他所と一緒だと電話もしてもらえません。そこで差別化で一番簡単な「価格」に手をつけます。
1坪50万とか、60万とかに、あなたと奥さんは引き付けられて業者の土俵にあがります。
そして、モデルハウスとか、内覧会とかに行くわけです。
商談が進み、設備を決め、内外装を選んでいくと、かなり費用はアップします。「あの広告の価格は当社の基本プランなので、オプションを増やすと○○万円はかかります」といわれ、引き返せなくなってしまいます。
日本人は、義理・人情を大切にするという考え方がいまでも強く残っています。一生に一度しかない大きな買い物にもかかわらず、商談が進み『細かい設計図を書いてもらったから・・・』とか、『模型まで作ってもらったから』とか、はては『何度もきてもらったから、あの営業の人を断れないわ…』という意識が働いてしまうのです。
予算のないお客さんに対し、初めから、高くいったらどうなると思いますか? そんなに高いなら、どこかもっと安いところにするでしょう!
住宅は、「完成していない未知ものを買う」という特殊な商品なので、設計してみないと価格はわからないのですが、それでは営業にはならないのです。(^.^)
業者さんによって建築費が違う理由
坪単価というものはそもそもいい加減(^^♪なので、高くも安くもなります。本当は総額いくらかかるのかが大切なのですが、何となく費用の目安として使われがちです。
坪単価が大きく変わる理由には、主に次の3つがあげられます。
なお、当社では、建築コストの目安を提供しています。お住まいの地域、延床面積、建物のグレードなどを入力すると計算する事ができます。一度試してみてください。