長屋建のリフォームIII

みなさん、こんにちは。今回は某喫茶店のオーナーから依頼を受けてご自宅を改修しました。
7軒長屋のうちの真ん中近くのお住まいです。長屋ということで、耐力壁をどう捉えるかということが問題になりました。
『長屋全体のバランスを考えて耐力壁を配置』なんてことは難しいので、将来的に今回の建物だけが残ったとしても、そのまま自立できる耐力を確保する事を念頭にプランしました。
建物の間口が限られていてプラン作成に四苦八苦しましたが、10cmの隙間も極力利用してパズルのようにお住まいを組み上げています。
リフォームの参考になれば幸いです。
限られた間口を最大限に生かしてリフォーム



施工前の写真です。
間口いっぱいに窓が取られ、左右に建物が揺れたときに倒壊する恐れがありそうです。施主さまと相談の上、邪魔にならない範囲でできるだけ耐力壁をつけることにしています。
また、台所など生活する空間が手狭なので、できるだけ広く使える工夫をすることになりました。



将来禍根を残さないためにも、給排水や基礎も新築同様に施工。
キッチン風呂洗面トイレなどの設備機器も一新しました。
長屋建のため、隣の建物とひっついており、作業するスペースがないため、職人さんたちはだいぶ大変だったようです。
小さなスペースも有効活用



壁は一面レッドシダー張。
柱と柱の間のわずかな隙間も飾り棚として掘り込んでいます。右の写真の正面に耐力壁がみえますが、ここにも小さな飾り棚をあけています。

リビングです。
壁はレッドシダー。天井は艶消塗装。床は床暖房対応の栗材です。
作付のテレビ台を設置しています。左手にスリ硝子戸が見えますが、建具は、家具の後ろに引きこむようになっています。開き戸だと、建具が邪魔で生活しづらいからです。

ダイニングキッチンです。
キッチンと食器棚の間に、勝手口ドアがぴったり収まっています。
食器棚上の空間にも引違窓がぴったり収まっています。全て計算どおりです(笑)
食卓用のペンダントはお施主さまのこだわりです。



リビングから玄関を見たところです。レッドシダーの色目も建具の前後であわせています。
玄関いくまでの右手に洗面トイレ浴室を配しています。
洗面もちょっと狭いですが、引出式にして収納量を増やしています。(実は、洗濯機を入れるのが大変でした)
トイレはLIXIL アステオ。トイレ用の収納も、タンク上いっぱいに作っています。
設計の段階から『ミリ』の納まりまで検討し、やっとお客様のOKを頂くことができました。
がしかしです、改修工事でそこまでシビアな設計は正直厳しかったです。実際には柱が予想以上に反っていたり、微妙に位置がズレていたりで、なかなか寸法通りにいかず、『ミリ』の納まりをまとめるのに本当に苦労しました。
でも終わってみると、各所変更を伴いながらも綺麗に納まり、納得のいく仕上りとなりました。大工さんを始め各職人さん達に感謝です(^o^)。今回の改修工事はブログに掲載しています。