アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

6.京町家の再生

第5回:仕上

 それでは、完成写真を見ていただきましょう。
ここは、将来、外人さん用の安宿(ドミトリー)としても使えるようにいろいろ工夫されています。
玄関内側です。この玄関引き戸は、ナント台桧です。

 お母屋1階です。畳も建具も新設ではありませんが、洗って、修繕して、塗装してと、手はかかっています。

 奥の間から表の格子をみています。手前から、「オク」「ナカ(またはダイドコ)」「ミセ」と呼ばれています。

 通り庭です。
壁は中塗仕上、キッチンはもともとあった置き流しを綺麗に磨いて再利用しています。照明はお施っさんが自分で手配されました。
台所はこの家で最も素晴らしい空間です。見上げると屋根までの大空間。あ~気持ちがいいな~!

 2階のバルコニーから見下ろしたところです。 土間はお施っさんと、そのお友達がなんどもなんども叩いて仕上げました。
本物の三和土土間です。
ウーン、写真では上手く伝わらんやろな~。実物はもっと良いのに!!

 トイレ棟の屋根は全て新設しました。

 バルコニーも新しく、ここは新しい材料ばかりで組みました。

 1階ハナレはすっかり変わりました。

 2階のホールも綺麗になりました。

 2階の洗面器です。周囲は全て無垢材の杉板です。

 バルコニーの全景です。
床・手摺とも、小節の桧材です。
外人さんが手摺に腰掛けられるように、笠木が内側に傾斜しています。ここで1日中過ごしたくなるぐらい落ち着きます。

 2階お母屋の床の間です。最初の激しい雨漏りの跡も完全に修復しました。

 縁側もあります。

 お母屋2階の床の間付きの別の和室です。

 外観前景です。

 完成後の見学会です。ご近所の方々もたくさん来られて非常に賑わいました。
「へーぇ、あんなにひどかったのにこんなに綺麗になって変わるもんやねぇ~」とおっしゃったお向かいのおばさん。その言葉に、妙に嬉しくなりました。

 いかがでしたか?
 今回は、限られた費用の中で、お施っさんや、そのお友達や、いろんなかたがたの力を借りて、手作りで直しています。
 古ぼけた置き流しを綺麗に磨いてくれた奥さん。
 すみずみまで塗装してくれたご主人さん。
 そして、何度も、何度も三和土を叩いてくれたお友達の方々・・・・・・
 閑がないとできないといえばそれまでですが、本当によく頑張っていただきました。頭が下がる思いです。
 
 もちろん、完全に復旧するにはもっと時間も費用もかかります。でも、今回は悪い部分のみを取替え古い材を大切に再使用するよう心がけました。建具や畳も手を入れて、もう一度使うという気持ちが大切なのです。
by 幸 男
胡乱座ゲストハウス
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