注文住宅 倉の家

- ・家族構成:夫婦+子ども1人
- ・竣 工:1979年12月
- ・構 造:木造2階建
- ・面 積:敷地/689.0㎡ 延床/108.3㎡(1F:57.7㎡ 2F:50.5㎡)
大学で国文学を教えておられるお施っさんは、周山が気に入り、しばらくは古い民家に住んでおられましたが、土地を手に入れられるのにあわせて、弊社に工事を依頼されました。
住まいを建てるのに、広さを確保することは何よりも重要ですが、それを追求するとどんどん費用がかかってしまいます。そこで、部屋を広そうにみせるために家を横に長くし、吹抜けをつくったり、開口部を広くしたり、天窓を設けたりしました。


この住まいは、京都に伝わる伝統的な数寄屋造りの技術を生かし、構造体である柱・梁をできるだけ見せるよう心がけました。おかげで、周囲の北山杉の美しい自然と調和し、自然と一体となった住まいができあがりました。

共に床はブナ材のフローリング貼りに、ポリウレタン塗装仕上げ。壁はラスボード下地に漆喰仕上

軒が深いので2Fはトップライトからの採光に頼る
夏の晴れた日の朝は地上2~3mの高さに霧が降り、冬は雪が静かに降り積もる。
都会で生活する者が忘れてしまった自然との付き合いを過ごせるのが、なによりの贅沢だとお施っさんは言います。
先日機会があってお施っさんと会った際に、こんなことを言われました。
「『ネイチャースキーの集い』に参加しないかと誘われて、美山町までクロスカントリースキーにでかけたが、別に新しいことはなかったですね。町中に住んでる人は皆感動してかえったけど、冬、林の中を滑るなんてわざわざ遠い所まで行かなくても家のまわりで普段できますからね」
それだけ、自然が身近に残っているということでしょう。


今、お施っさんはスス竹を使った小物作りを趣味としておられます。
今はなかなか手に入らないスス竹ですが、弊社で解体・改築等をする時に出てくることがありますので、その都度お分けするというおつきあいを続けております。(^^ゞ

☆☆ 写真提供:MODERN LIVING1981年1月号 ☆☆