10.京町家の外壁修理
防水紙を貼って仕上げます。焼板を張ることもありますが、ケラバを出せないことが多いので、その場合は、亜鉛メッキ鋼板を張ります。
第4回:仕上


透湿防水紙を貼り、胴縁を流します。
最初の写真は一旦縦胴縁を入れ、通気層を作っています。
ただ、隣の敷地に越境する事が多いので、後の写真のように横胴縁だけで施工する場合がほとんどです。


通常は、外壁材は雨仕舞のため下から順番に少し重ねて張ります。
この例では、ヨドプリント(亜鉛メッキ鋼板)を張っています。
実は、雨が降ると困るので、毎日ブルーシート養生をしています。
結構面倒です。


古い破風がそのままで、ケラバが少し境界から出ていても大丈夫な場合、せっかくなので、防腐塗装をします。キシラデコールを塗っています。
また、京町家は通常小屋裏の熱気が逃げずに熱くなるので、この機会に換気口を新設しています。


完成です。
1枚目の写真は、ヨドコウ製亜鉛メッキ鋼板『土佐焼杉シルバーブラック色』仕上です。
2枚目の写真は、中本造林製塗装焼杉板仕上です。
着工までにする事が沢山あります。
隣が解体された直後に入り、建物を調査し、見積もりをし、どこまで工事をするか施主さんと相談し、隣の所有者に立ち入り許可をもらい、外壁が境界より少し出る場合は事前に承認をもらい、といった手続きが必要です。
単に、隣の方にトタンを張ってもらったら楽で費用も掛かりません。
でも、後々水が漏れたり、躯体が歪んだりしても、隣に住宅が建ってしまうと入れなくなることがほとんどです。
せっかくなので、いろいろと、お勧めすることで、町家が1軒でも長く住み続けられるようになればと願っています。