子どもの通う京町家
鎧張と平格子窓
長い間空き店舗になっていた京町家。
息子さんの代になり、ミセノマを中心に大きく改修することになりました。
施工 京町家の腐朽部分を全て一新する
元々、ほぼ全てベニヤで覆われていたのですが、めくってみると、腐朽した梁がでてきました。
腐った部分を全て入れ替え、込栓と補強張りで固定させます。これで一安心です。
今では貴重な市電の敷石です。ゲンカンニワと外部に再利用することにしました。
玄関脇の柱です。戸じゃくりと、地覆と水板と式框の加工をしています。
ゲンカンニワの傷んだ柱です。追掛大栓継です。荒壁も柱も化粧でみせます。
これはめんどくさい。でもできあがると、見違えるので、大工さんの腕の見せ所です。
できあがりです。窓下の須覆は水勾配をつけています。足元の葛石も据え直しています。
下屋根を支えるために、玄関とミセノマの間に独立柱を建てました。解体したところ、幕掛の掘込跡があったので、元の状態に復元しています。
片引戸の鴨居を設置しています。
元の状態に戻すのではなく、出入りしやすいように少し高さは上げています。
元の状態に戻すのではなく、出入りしやすいように少し高さは上げています。
竣工 京町家のファサードを取り戻す
10年以上休業状態になったお寿司屋さんです。1Fは増築され、外部はモルタル+アルミサッシ。2Fも格子でおおわれていました。
片方が子どもたちが通う教室の玄関です。1Fも2Fも伝統的な意匠に戻しています。
ベンガラ塗+シルタッチ漆喰調仕上です。
ベンガラ塗+シルタッチ漆喰調仕上です。
ゲンカンニワです。荒壁土を塗り直し、土台・柱とも新調しました。
敷き詰められた市電の敷石がいい感じです。
敷き詰められた市電の敷石がいい感じです。
生徒さん用の下駄箱です。壁は漆喰調珪藻土仕上。式台、敷框、床板とも新調しています。
建具は地桧を古色塗しました。
建具は地桧を古色塗しました。
床はタイルカーペット。壁はクロス。天井は、既存の梁を見せて、その間に照明器具を配置しました。
表から中が見やすいように、大きなガラス戸をつけています。
事務室は収納棚をたくさん配置しました。使いやすいように可動式にしています。
古い柱だけ古色に塗装しています。
『子どもの通う京町家』お客様の声は、リフォーム評価ナビ「株式会社アラキ工務店の口コミ」に掲載されています。
工事を気に入っていただき、当初予定していなかった2F外装やミセニワも工事をさせていただくことができ、見違えるようになりました。
特に苦労した点は、大通りからの資材の搬入出です。通行人もたくさんいらっしゃるので気を使いました。でも、仮囲いを外したところ、皆さん口々に「綺麗になったわね」と言っていただき、本当にうれしく思いました。