職人今昔
4.大工道具
錐(きり) 鋸(のこ) 鉋(かんな) 鑿(のみ) 釿(ちょうな) 斧(よき)
これは、昔大工仕事のうち大変腕の疲れる順番で、一錐 二鋸 三鉋 四鑿と続く。
大工職の道具で今日、大工仕事で使用しなくなった道具では、作里鉋(しゃくりがんな)・小穴突き・溝突鉋などがある。人によっては、これらは埃を被り工場の隅に置かれている。
店では、斧を持たなくても皆、釿を持っている。これは職人の腕を磨く為に必要な道具の一つだからである。釿を振り上げる時の空間の取り方、腰の決め方、振り下ろす力と木目の流れを読み、正確な刃先と角度での打込み、斫る材質による刃先の研ぎ方など、大切な部分が多い。そのため釿が100%と使いこなせば大方の道具が使いこなせるといわれる。
鉋も削る材質による刃先の研ぎ方が大切で、杉の白太・桐・樅(もみ)など、やわらかい材の場合は刃先を少し丸く研ぐ、また堅木(欅・桜・樫)などの場合は刃裏も少し研ぎ、諸刃のように心持ち研ぐ。小口削り用の鉋は一枚刃とし、ベタ裏にするなどである。
昔の職人、特に京より西では殆どの大工が多く使っていた道具に斧があり、斧一本で丸太材を加工する。特に手斧は便利で使い易く今でも使用出来そうである。
私の父がいつも道具箱に入っている竹筒の中に持って歩いた道具に口引きがある。丸太仕事をする職人が使う仕口の光り込みをする時に墨を付けるのに使用する。仕口に合わして大小取り混ぜ十二、三本。よく御蔵など言っていたが今はすっかり見かけなくなった。使用頻度が少ない道具としては、繰小刀、数多くの丸鑿・打抜き鑿・端自引鋸・小引(縦割)鋸・打込錐など、数えあげればきりがない。鉋も昔に比べると半分ぐらいの種類になり、特に長台鉋は少なくなった。今後ますます電動工具が発達すると、さらに大工道具が衰退をするのではないかと思うと大変残念です。


