アラキ工務店 京都市右京区:京町家、古民家、大工さんと建てる家

アラキ工務店 株式会社 アラキ工務店

B.H市 古民家(続々)

 この古民家は、弊社の足達くんと、築山くんが、主に担当し、1年近く泊り込みをした現場です。
 全京都建設協同組合が発行する「協組ニュース397号」に築山君の感想が掲載されました。
 ご一読いただければ幸いです。

「住み込み現場で思うこと」

 私はただいま出張中。去年から行きだしてはや10ケ月、もうすぐ1年が経ちます。 いろいろな不安とちょっとしたビックリが交差する日々を送っています。
 今までこんなに大規模な現場で働く機会がなく、ましてや、京都以外の土地でこんなに長く生活したことはありませんでした。 泊りがけで仕事をすると、工事をしている土地の季節が肌で感じられます。  秋にはそこで実った柿などの果物をいただき、寒い時期は庭の緑がいっきになくなります。 そして、暖かくなったら庭がだんだん色付いていくがわかります。 そうした光景を毎朝見ると、街中なのになぜか田舎にいるみたいで心が晴れます。

 自分は大工なので建物はわかりますが、庭も重要だなと気づきました。
 また、遠くから思いを馳せることで、京都がどんな所かやっとわかったような気がします。

 出張は朝起きてから、寝るまで、ずっと仕事ずくめの毎日です。
 雨が降ったら普通は家の中の仕事ですが、休憩の時は外に出て樋がゴミで溢れていないか、軒の出が短いところの外壁が濡れていないかなどを見てまわります。
 晴れたら晴れたで、どこがよく日が当たっているか季節ごとの日の照り方なども見てまわります。
 夜、強い風が吹くと、なんとなく気になって、現場に足を運んだ事もありました。
 そうすると、自然に建物に愛着を感じてきます。自分の手がけた建物と離れるのが寂しくなるような気がしました。
 また、出張中は、集団生活です。先輩の職人と寝起きを共にし、一日中一緒にいて仕事の技術だけでなく、いろんな事を学びました。

 この現場が終わって京都に戻ったら、この経験を次の現場に活かしたいと思います。
 それとぶらぶら京都を歩いてみようと思いました。

大工 築山 史典
勝手口
勝手口側を望む
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