潜り戸のある京町家
潜り戸を復活させた京町家。
ほぼ原型が残る京町家。間取りもそのまま、建具もそのまま再利用できます。
でも、周囲からの漏水で床下の腐朽が進行していました。
今回は、首都圏のお施主様との出会いがあり、東西が融合した意匠になりました。
潜り戸のあるゲンカンニワ。
土間も壁もやりなおし、建築当初の形に戻しています。
給排水・電気・ガスといったライフラインは全て隠しています。
建具は既存再利用です。
建物の歪みの矯正・蟻害の手当を行っています。床は桧板で張り替えました。
柱はワビスケ塗。右手の紙張障子は杉材です。
照明器具は新しく新調されました。
正面の収納はテレビ台。取っ手はあえてつけずにすっきりと納めました。
床は杉板張りです。
ザシキは、ほぼ建築当初の意匠です。
壁を塗り替え、畳を入れ替え、襖を張り替えています。
構造の歪みがなくなると、シンプルな空間が素敵にみえます。
ハシリニワは、床を張らず、キッチンは土間に設置しています。
ただ、靴を履くのは大変なので、桧材でスノコを造っています。
火袋の窓は、操作紐で開閉できるようになっています。
縁側は、古色に統一せず、新しい建具や部材は白木を生かした仕上がりです。
杉の腰板がいい色合いです。
便器はアラウーノ。収納は現場にあわせて手作りになっています。
イナゴ天井は杉突板。床はナラフローリング。壁は聚楽調珪藻土。
隣にある和室の床脇が少し見えています。
桧材の大きなガラス窓。傷みがひどかったので、手すりも新調しています。かなり明るく、快適な縁側です。
厨子2階の中は、少しでも広くするため、母屋木をだして、その間に杉板を張りこみました。
虫籠窓からの明かりが素敵です。